親権者を決めるときに、やりがちな禁止行為について

離婚をするとき、どうしても親権者になりたいばかりにどのようなことでもしてしまう方もなかにはいらっしゃいます。ところが、良かれと思ってやったことでも、家庭裁判所が親権者の判断をする際にマイナスの評価とされてしまうことがあります。
確実に親権者になりたいなら、マイナス評価になりうることは避けるべきです。

今回は、親権者を決めるときにやりがちな禁止行為について、離婚問題に詳しい弁護士が解説します。

1.子どもに親を選ばせる

良くあるのが、子どもに親を選ばせる行為です。
相手がいないときに「お父さんとお母さん、どっちと住みたい?お母さんよね?もし、お父さんを選んだら、一生お母さんとは会えなくなるよ!」などと言うことがあります。
すると、子どもは「お母さん(あるいはお父さん)」と答えるでしょう。そうして「子どもが私を選んだ」と主張する方がいしゃっしゃいます。
なかには、父母揃ったところで「どっちと住みたい?どっちか選べ」などと言って子どもに迫る親もいます。
このようなことをすると、子どもは深く傷つくだけです。そもそも幼い子どもは親権者を選ぶことができないので、このような方法で子どもに選ばせても、親権者になることはできません。むしろ、子どもに無理に親を選ばせたということで、親権者として不適切だと判断されてしまう可能性もあります。
子どもに、親を選ばせるような言動は慎まなければなりません。

2.相手の悪口を言う

親権者になりたいあまりに、子どもに相手の悪口を言うかたも多くいらっしゃいます。相手のいないところで「お母さんは、他の男と会っている」「〇〇のことなんか、全然大切に思っていない」「いつも〇〇と一緒にいるのはお母さんでしょ?お父さんは、〇〇のことなんか、どうでもいいの」などと言って、子どもを自分の方に取り込もうとされます。
しかし、子どもにとって、両方の親も重要であり、どちらも自分の半身です。それを否定されると、やはり子どもは深く傷つきます。このようなことをすると、親権者として不適切な言動と判断されるので、絶対にしてはいけません。

3.面会交流を拒絶する

離婚後、親権者とならなかった親には面会交流権があります。ただ、親権者となった親は、「できれば面会交流をしたくない」と考えることが多いのが実情です。
しかし、親権者になりたいなら、面会交流は積極的に行うべきです。裁判所は、子の福祉の観点から、離婚後も、子どもは両方の親との関わりを持ち続けるべきだと考えているからです。面会交流を合理的な理由もなく拒絶していると、「この親に任せたら面会交流が実施されなくなる」と思われて、親権を認められなくなってしまう可能性もあります。

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